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マンションライフを楽しむ
マンションでペットと暮らすマナーとは

小型犬や猫など、ペットを飼えるマンションも増えています。しかし、集合住宅であるマンションには、ペットが苦手な方や、アレルギーを持っている方も住んでいます。マンションでも他の居住者たちに迷惑をかけず、ペットと心地よく過ごすために、気を付けるべきマナーについて、専門家へお伺いしました。

【取材先】
公益社団法人日本愛玩動物協会
常務理事 水口修さん
広報・啓発課 竹田千寿さん

ペットと共生する住宅やマンションづくりに必要な知識や大切なことを専門的に学ぶことができる「ペット共生住宅管理士」の認定を行うなど、人と動物が幸せに共生するための社会構築を目指して活動。https://www.jpc.or.jp/

参考書籍「飼い主のマナーハンドブック」
(公益社団法人日本愛玩動物協会、¥770・税込)
ペット(犬、猫、小動物、小鳥)と暮らすうえで知っておきたい適正な飼養方法や技術、マナーについて、わかりやすく解説した一冊。

ペットと暮らし始める前に

最近はペットブームもあって「ペット飼育可」というマンションが多く見られます。マンションでのペット飼育に関する条件も、だんだんと柔軟になってきているようです。とはいえ、ペット飼育が可能なマンションであっても「他の居住者に迷惑をかけない」のが前提でしょう。まずは一般的なマンションにおけるペット飼育のマナーやルールを確認しておきましょう。

■まずは「管理規約」をチェック!
「ルールやマナーの厳守」はペットとともに暮らすために最低限必要なこと。マンションにお住まいの方がペット飼育を検討する場合、まず「管理規約」をチェックすることから始めましょう。飼育できるペットの種類や頭数などが制限されていたり、共用部分での行動の仕方が決められていたりと、マンションごとに様々なルールがあります。
また、快適なペット飼育環境を整えるために、飼育当事者のマナー啓蒙を掲げ、「ペットクラブ」や「ペットの会」のような組織が作られているところも。ペットの登録・更新の管理など事務的な手続きだけでなく、飼育者同士のコミュニティ形成などにつながる活動をしています。災害が起きたときなどのセーフティネットとしても機能しますので、ペットを飼う方は必ず参加して、いつでもペットたちとともに心地よく暮らせるように環境を整えましょう。

■最後まで責任を持って飼育する
コロナ禍で自粛生活が続いている影響か、このところペットを飼い始める人が増えている一方、「やはり飼いきれない」とすぐに手放す人も多いようです。ペットを飼うからには、最後まで責任をもって世話をすることが大前提になります。
寿命はどれくらいか、毎日の世話にどのような手間がかかるか、どのような食事を与えたらよいか、運動はどのくらい必要か――。動物を飼いたいと思ったら、まずその動物についてよく調べることが第一歩です。
「飼い主が、その動物が生涯を全うするまで見守れる年齢なのかどうか、家族が増えたり・引っ越したりして、動物が飼えなくなることはないか、などの確認も大切」(竹田さん)だといいます。
「犬や猫を飼育するのに生涯必要となる経費は、犬で約200万円、猫で約140万円と言われています。これ以外に、大きな病気にかかってしまった場合には、その治療費も必要です。これらを理解したうえで、ペットを飼うことができるかどうか、家族と一緒に相談して決めるようにしてください」(竹田さん)
経済面の負担も含めて、ペットと暮らす準備ができているか、検討することが大切です。
また、マンションで飼育するのであれば、あらかじめ鳴き声がうるさくない種類を選ぶのもよいでしょう。

意識しておきたいペット飼育のマナー

共用部分でのふるまい方や、専有部分内で上下左右の住民に迷惑をかけないようにすることも、ペットともに快適に住まうために必要なことです。どんな動物を飼うかによっても配慮したいポイントは変わってきます。今回は、特に飼育されることの多い犬・猫と、その他の小動物に分けてポイントをお聞きしました。

Q:犬の場合はどのような配慮が必要ですか?

【共用部分について】
最も共用部分での気遣いが必要なのが犬です。自宅から一歩出たらリードを短く持って制御しやすいように配慮するのが基本です。人に飛びついたり、マーキングをしたりする犬の場合、抱き抱えて移動するのもよいでしょう。万が一、共用部分で粗相をしてしまった場合には、すぐに飼い主が片づけましょう。エレベーターなど機器設備にかかわる部分での粗相の場合、故障につながるケースもあるため、管理員への報告も必要です。
また、忘れがちですが、ベランダも共用部分ですから、ブラッシングをしたり、臭いの出るゴミの一時置き場にしたりしてはいけません。ゴミ捨て場に出すときも、臭いが強いものは回収日の朝に出すなどして他の居住者に迷惑をかけない配慮が必要です。ブラッシングやシャンプーも専有部分内で行うようにしましょう。

【専有部分について】
専有部分で気を付けたいのが音です。特にフローリングに犬の爪がカツカツと当たる音は、意外と響いてご近所迷惑になりがちです。カーペットを敷くと防音にもなりますし、犬にとっても滑り止め効果があります。また、犬を飼っていない人にとっては犬の吠える声が迷惑になることも。なぜ鳴くのか原因を考え、吠えを減らすとともに、遮音カーテンなどを活用して対策するのもおすすめです。こまめなシャンプーで臭い対策をするのもいいでしょう。

Q:猫の場合はどのような配慮が必要ですか?

【共用部分について】
犬と違い、猫はペット自身の安全のためにも完全室内飼育が基本です。通院などで共用部分に出るときは、必ずキャリーバッグに入れましょう。ベランダについては犬と同じく、臭いの出るゴミは置かない、ベランダに出さないという配慮が必須です。
また、抜け毛によって「猫アレルギー」の方に迷惑をかけることもあります。布団などは室内で粘着テープなどを使って抜け毛を取ってから干す、こまめにブラッシングを行って抜け毛の散らばりを抑えるなどの配慮をしたいですね。

【専有部分について】
猫は、上下移動を伴う運動を好むため、飛び降りる音が階下の迷惑になることも。キャットタワー(運動不足・ストレス解消のために設置する用具)など、高いところから飛び降りることが多い場所には、厚めのカーペットやコルクマットなどを敷いて、騒音防止に努めましょう。また、隣の住戸に接する壁への爪とぎも、騒音トラブルの元です。爪とぎ器に誘導するなどして対策するといいでしょう。

Q:小動物の場合はどのような配慮が必要ですか?

【共用部分について】
マンションでよく飼われる小動物といえば、ウサギやハムスター、魚類や鳥類などがおなじみです。ベランダは共用部分ですし、外敵からの攻撃にさらされる危険もあるため、いずれも完全室内飼育が基本です。猫同様、室外に出すときはキャリーバッグなどに入れて持ち運びます。

【専有部分について】
室内で気になるのは、騒音と臭いです。ウサギのスタンピング(抗議のなどの意味を込めて後ろ足を床に打ち付ける行為)や、ハムスターの回し車、鳥類の鳴き声などは、意外と響いて周囲に迷惑をかけることも。床に防音マットを敷いたり、ケージに布をかぶせたり、窓に遮音カーテンをかけるなどの工夫が必要です。
また、ハムスターなどのげっ歯類や、ウサギについては、電化製品のコードなどをかじってトラブルを起こすことも。ペット自身の危険につながるとともに、火事などの大きなトラブルを起こす可能性もあるので、かじり対策は必須です。

緊急事態!その時どうする?

災害時や、コロナ禍のような非常事態の場合、パートナーであるペットたちにとっても普段通りの生活を送ることは難しくなります。人間でさえ対応が難しい状況の中、ペットたちにはどう接すればいいのでしょうか?

Q:災害時のペット飼育の心構えを教えてください。

いざというときに避難することを考えて、飼育する頭数は、家族で抱えて避難できる頭数までとするとよいでしょう。また、ペットフードや必要品は、1週間分は備蓄しておくと安心です。災害時には、逸走によって行方不明になってしまうペットも少なくないため、マイクロチップや迷子札の装着など、ペットの身元が分かるものをつけるようにしましょう。
お住まいの地域の「地域防災計画」や広報などを確認して、ペットと避難する際の注意事項を予め確認しておきましょう。災害時、マンション住民は自宅避難が基本といわれていますが、万が一避難所で過ごすことになれば、不特定多数の人が行き交う避難所で過ごすことになります。普段から社会化を意識したしつけを行っておいたり、ペットケージでも落ち着いて過ごせるように慣らしておくといいでしょう。猫やウサギなども、避難先でキャリーバッグから出してあげられるように、ハーネスやリードに慣れさせておくとよいでしょう。また、感染症を蔓延させないように、日ごろからのワクチン接種も大切です。

Q:コロナ禍でのペット飼育の心構えを教えてください。

外出自粛や自主隔離などで飼い主が外出せず24時間ほぼ一緒にいる環境は、犬や猫など多くのペットでは喜ばしい状況かもしれません。また、飼い主にとっても、ペットとの時間は癒やしのひとときになることでしょう。
ただ、常に飼い主がそばにいる状況は、いい面だけとは限りません。ペット、特に社会性の高い犬にとっては「飼い主がいるのが当たり前」の状況になってしまうと、飼い主への依存が強くなり、飼い主が見えなくなるだけで、落ち着かなくなり、ずっと鳴き続けるなどの分離不安の症状が出てしまうこともあります。
こういったことを防ぐためにも、意識して犬が飼い主と離れて単独で過ごす時間を作ることも大切です。在宅しながらも、犬とは別の部屋で過ごす時間を定期的に設定するなど、通常の生活とギャップを作り過ぎないよう、工夫するとよいでしょう。

通常、自宅を長期不在にする際には、「愛猫も連れていく」「知り合いに預ける」「ペットホテルに預ける」「ペットシッターに依頼する」など、ペットのお世話をしてくれる人を探しておくことが基本です。コロナ禍で、急な長期不在となった時に困らないよう、普段から万が一の相談先を準備しておきましょう。

今回はペットともに快適なマンションライフを送るヒントをお届けしました。他の居住者への適切な気遣いしつつ、人生のパートナーともいえるペットたちに癒されながら楽しく過ごしたいものですね。