夏を涼しく過ごすために、最も効果を発揮するのが「風通し」です。「暑い暑い」といいながらも、ふっと風が吹いてくると、何とも言えない涼しさと情緒を感じますね。では、マンションではどのようにして、風を呼び込んだらよいのでしょうか?

ベランダの窓を開けて網戸だけにして、そこからどこに向かって風が抜けていくかを見てみましょう。もし風の吹きぬける先に別の部屋の窓があれば、そこを開けて空気の通り道を作ってあげると、フワッとした風が室内を通り抜けとても涼しく感じます。
風の通り道に窓が無い場合でも、どこかもうひとつの窓を開けるだけで、涼しさはかなり違います。風が入る窓の方が大きく、出る方の窓が小さいと、風の流れが速くなり涼しさもアップします。
意外と効果を発揮するのが、扇風機作戦です。窓を開けて網戸だけにし、外に向かって扇風機のスイッチをON! これによって外の空気が室内に入り、部屋の中が涼しくなります。
夜中に窓を開けて寝るときも、この方法で涼しくなるので、エアコンが苦手な人にも良いでしょう。

夏の暑さ対策に、水と氷は大活躍します。日本では昔から、朝と夕方に打ち水をしたり、スイカや飲み物を氷水で冷やすなど、夏の暮らしのいたるところに水が使われていました。そんな昔の習慣を真似てみるのも、賢い暑さ対策といえそうです。
熱帯魚の水槽があればベストですが、たとえば小鉢などにメダカを入れて飼うだけでも、涼を感じることができます。玄関やリビングの一角に“小さな水辺”ができると、涼しさを目からも感じることができるでしょう。緑の海藻などをあしらって、ゆらゆらと揺れる様を見ると、暑さに疲れ気味な心も癒されます。
食卓やリビングのテーブル、玄関などに、生花を浮かべたガラスボールを置いてみましょう。ワイングラスなどを利用するのもお洒落ですね。季節の花々に夏を感じると共に、涼しさを演出することができます。
「溶けない魔法の氷」と言われるアイスボールやアイスキューブをガラスのお皿に並べ、リビングなどに置いてみましょう。わずかな時間ですが涼しさを感じることができ、見た目にも涼しげです。
カラカラになった床よりは、水拭きをしてしっとりとした床の方が、より涼しさを感じられます。大きな効果はありませんが、暑苦しい夏だからこそ、こまめに掃除をすることでスッキリ涼しく暮らせるでしょう。
室内に緑を取り入れることで、涼しい雰囲気を作ることができます。暑い夏もクーラーに頼ることなく、自然な夏を楽しみたいですね。

ゴーヤなどでベランダにグリーンカーテンを作るのは、とても効果的です。ほかにもアサガオやトケイソウなど、グリーンカーテンに適している植物はさまざまあるので、自宅の雰囲気に合ったつる性の植物を選ぶと良いでしょう。
部屋の中に観葉植物をいくつか置くだけでも、涼しさを感じることができます。
すだれは見た目にとても涼しげで、間仕切りとしても使えるため、暑い夏には最適なインテリアです。
よしずをベランダに立てかけると、直射日光をさえぎることができます。見た目にも、カーテンに比べて涼しく感じられるでしょう。
青系の色は、心を落ち着かせる効果があるほか、赤系に比べて3℃ほど涼しく感じる効果があるといいます。たとえば青や紺など、リビングの色調を寒色系にしてみると、室内がとても涼しげに見えます。白色と組み合わせることで、まるで海の近くにいるようなひんやり感も演出できるでしょう。
「忙しいのでイメージチェンジは大変」という場合は、テーブルクロスやソファーカバーを代えるだけでもだいぶ雰囲気が変わります。できる範囲で涼を感じる工夫をしたいですね。

エアコンの普及とともに、次第に使わなくなってしまったうちわ。しかし、「暑い暑い」といいながらも、うちわをパタパタとあおげば、不思議と暑さが和らいで涼しく感じてきます。
うちわをあおぎながら氷で冷やしたスイカを食べ、丸い水槽には縁日で釣ってきた金魚が泳いでいる。そんな夏の風景を再現してみると、暑さから来るイライラが和らぎ、心の涼しさが得られるかも知れません。
- エアコンがある暮らしに慣れてしまうと、暑さに困らない生活と引き換えに、本物の夏を感じる機会も失ってしまいます。たまにはエアコンなしの自然な暮らしを甦らせ、ナチュラルな風と水・緑と共に過ごすことで、忘れかけていた「夏の風情」を呼び起こしてみませんか?
- 2021.02.25
- 設備機器の買い替えのタイミングとは?
- 2021.01.28
- パリのアパルトマンに学ぶ、快適な居間を彩るファブリック使い
- 2020.12.17
- 共働き家庭の家事、最新事情とは?