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マンション基礎講座
住まいの品質をチェックする!「住宅性能表示制度」

2007.January

一昨年の11月に発覚した耐震強度偽造事件をきっかけに、住まいの安全性があらためて問われています。これから住宅の購入を考えていらっしゃる方にとっては、とても気になる問題ではないでしょうか。このような状況のなか、「住宅性能表示制度」が注目されてきています。
そこで今回は、より安全で信頼できる住宅を見極める基準のひとつである、「住宅性能表示制度」をとりあげます。

「住宅性能表示制度」ってなに?

「住宅性能表示制度」ってなに?

「住宅性能表示制度」は、平成12年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」いわゆる「品確法」の施行に伴い、消費者が安心してマイホームを新築したり、購入したりできるようにサポートすることを目的に2000年にスタートした新しい制度です。

たとえば、車や電気製品など一般的な商品は、共通の表現方法で性能が表示されています。私たちはその表示を基準にして、価格やデザイン、機能性などを比較検討して購入する製品を選んでいますね。住宅にも、耐震性や遮音性、省エネルギー性など、さまざまな性能があります。しかし、これまでは、その表示の仕方がまちまちで客観的に比較しにくかったうえに、本当にその性能があるのかどうかを確認することも、素人である購入者の方にはとても難しいという状況でした。また、ひどいケースでは、何年か住んでみてはじめて、住宅に欠陥があることがわかったなんていうことも・・・・・・。

そこで、そういった問題を解決するために制定されたのが、「住宅性能表示制度」。住宅の性能をわかりやすく表現する表示基準を定め、私たち消費者が比較判断しやすくするために生まれた“共通のモノサシ”といえるでしょう。

10項目のモノサシで住宅の性能がわかる

「住宅性能表示制度」では、以下の10項目で住まいの性能を評価します。

1. 構造の安定(地震などに対する強さ)

地震や強風、積雪などにどのくらい耐えられるのかを示します。
建物以外にも、地盤の強さ、基礎の万全さもチェックできます。

2. 火災時の安全

自宅や近隣の火災から、どれだけ火に強くて避難しやすい住まいなのかを示します。外壁、床、窓などの耐火性、避難・脱出経路の安全性などが調べられます。

3. 劣化の軽減

住まいを長持ちさせるための劣化対策がどのくらい手厚くされているのかを示します。鉄筋コンクリート造の場合は、主に柱や梁のコンクリートが劣化しないための対策を評価します。また、防腐・防アリ・防サビなどの工夫レベルもわかります。

4. 維持管理への配慮

躯体よりも早くメンテナンスの必要な時期が来る給排水管やガス管のメンテナンスのしやすさを示します。日常の掃除、点検、補修が容易な住まいかどうかがチェックできます。

5. 温熱環境(省エネルギー性能)

住まいの省エネルギー性能レベルを示します。エネルギーを節約して、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせる環境への対策レベルがわかります。

6. 空気環境(シックハウス対策)

健康への影響を指摘されることが多いホルムアルデヒドへの対策を評価します。内装に使用される建材の選定、室内の換気対策がチェックできます。

7. 光・視環境

明るい住まいのために、居室の窓の面積と位置・方位についてどの程度配慮されているのかを示します。

8. 音環境(遮音対策)

外部の騒音を防ぎ、中の騒音を漏らさない工夫がされているかを評価します。共同住宅では、上下階との床や隣との壁に関して騒音を伝えにくくする対策が講じられているかも重要です。

9. 高齢者への配慮

住まいが将来にわたって安全・快適であるために、バリアフリー仕様の程度を示します。移動時の安全性の確保と介助がしやすくするための工夫レベルがわかります。

10. 防犯

外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建築部品や雨戸等が設置されているか、侵入対策が講じられているかをチェックします。

10項目のモノサシで住宅の性能がわかる

以上の10項目についてチェックするのは、国が指定した「住宅性能評価機関」の専門家。設計者でも施工者でもない、中立の立場の第三者指定機関が住宅の性能をわかりやすく評価します。

それぞれの項目に対する評価は、2段階や5段階の等級や具体的な数値で表示されます。ここで注意しなければいけないのは、たとえ評価が「1」であったとしても、建築基準法の定めるレベルはクリアしているということ。ですから、決して性能が悪いということではないのです。「1」を基準値として、数字が大きくなるほど性能がいっそう高まると理解してください。

性能表示の項目の間には、どちらかを高くすると他が低くなる、いわゆるトレードオフの関係になるものがあります。たとえば、地震に強い住宅を建てようとすると窓などが小さくなり、採光の性能は低くなる、など。ですから、すべての性能が高い住宅にすることは難しいですし、またそうする必要もないのです。このような点にも十分配慮して、それぞれのニーズに合った性能を選択しましょう。

設計住宅性能評価と建設住宅性能評価

建物のチェックは、設計段階と建設工事・完成段階の2段階で行われ、検査にパスすると設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書が交付されます。

設計住宅性能評価

設計住宅性能評価

設計図などをもとに、どんな建物を建てるのか、02で示した10項目についてチェックします。マンションを買うタイミングはたいてい着工前、もしくは工事中になります。完成したものを見ずに購入を決めなければならないという点で、何かと不安がありました。この設計性能評価を受けた住宅を購入する場合、契約書に評価書が添付されると、その評価書に記載された性能が引き渡しの条件として約束されます。

建設住宅性能評価

建設住宅性能評価

実際に建った建物が設計図通りに出来ているかをチェックします。評価機関は、施工段階と完成時に検査を行い、性能が確実に達成されている建物に対して建設性能評価書を交付します。

評価書には、それぞれ法律に基づくマークが表示される決まりです。
住宅性能評価を受けている物件の場合、パンフレットの構造についてのページにこのマークが載っているはずですので、ぜひチェックしてみてください。

設計住宅性能評価と建設住宅性能評価

住宅性能表示制度のメリット

安全性の高さ

安全性の高さ

住宅性能表示制度を利用すると、利用しない物件に比べて検査回数が増えるので、第三者の目にさらされる機会が多くなります。つまり、性能評価を受けている物件のほうが、いろいろな性能面で安心であるといえます。もし施工中に間違いがあったとしても、発見される可能性が高いと考えていいでしょう。

比較検討がしやすい

一見同じように見えるマンションでも、住まいの性能面はそれぞれ異なります。たとえば、この建物は省エネルギーを重視して、断熱材の種類や厚さ、サッシなどに特に配慮しているとか、あるいは、こちらの建物はバリアフリーに特に力を入れている等々・・・・・・。住宅性能評価を受けている物件ならば、住まいの性能のなにを重視しているかが一目でわかり、それぞれの物件の比較が簡単にできます。

万一のトラブルも安心

住宅性能評価を受けている住宅は、購入後に欠陥などのトラブルが起きた場合でも、「指定住宅紛争処理機関」が迅速・公正に対応してくれます。建物のことだけでなく、契約内容などさまざまなトラブルについて相談でき、手数料も1件につき1万円と格安です。

最後に

丸紅が分譲する物件は、ほぼ全ての物件で住宅性能表示制度を導入していますが、これはあくまでも任意の制度ですので、すべてのマンションが実施しているわけではありません。また、性能の評価が高いことがイコールすべての人にとって最適であるというわけでもないのです。たとえば、高齢者への配慮という項目を例にすると、まだ若い世帯だったり、住み替えを考えている場合などは、それほど気にしなくてもいいでしょう。それぞれのライフスタイルや予算に合わせて、特に気になる性能にこだわってみてはいかがでしょうか。
住宅性能表示制度を賢く活用して、自分に合った住宅を選びましょう。

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