2007.December
住まいを選ぶときに気になるのがマンションの構造。でも、マンションの構造ってなんだか良くわからない、とおっしゃる方も多いのでは?そこで今月と来月は、2回にわたってマンションの構造についてご紹介します。
今月は、マンションのさまざまな基本構造について、来月は、気になる耐震設計についてお伝えします。
わかりやすく解説しますので、最後までお付き合い下さい。
マンションには、どんな構造タイプがある?


マンションを選ぶとき、マンションの構造まで考えて選んでいる方は少ないかもしれません。しかし、自分がこれから住もうとするマンションの構造の特徴を知っておくのは大切なことですよね。では、早速構造の種類と特徴をご紹介しましょう。
材料による分類
骨組にどんな材料を使って建築しているかによって、次のように分類されます。
- RC造
- 鉄筋コンクリート造のこと。RCのCとはコンクリートの意味で、英語のReinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の略称です。鉄筋(鉄の棒)とコンクリートが一体となったものを骨組みにしています。「引っ張られる力」に耐える鉄筋と、「押しつぶす力」に耐えるコンクリートの両方の特性を活かした構造です。現在、最も多くのマンションで使われています。
- S造
- 鉄骨造のこと。骨組みにコンクリートを使わず、鉄骨だけを使っています。そのため、全体の工期が安く、早く済みます。建物自体が軽く、アパートや賃貸マンションに多く用いられます。
- SRC造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造のこと。鉄骨のまわりに鉄筋を並べてコンクリートで固めた構造です。
機能による分類
建物がどんな構造かによって、次のように分類されます。
- ラーメン構造
- 建物を、柱や梁で支える構造のこと。RC造、S造でよく用いられる方法です。屋内の壁で建物を支える必要がないため、比較的大きな部屋を造ることができますし、間取りの変更にも柔軟に対応できます。
- 壁式構造
- 建物を、床と壁で支える構造のこと。柱が出にくいため、室内がすっきりとするのが特長ですが、屋内の壁も建物を支える構造のため取り払えない壁が多くなり、大掛かりなリフォームが出来ないという欠点があります。
RC造について、もっと知ろう
RC造(鉄筋コンクリート造)は、現在、最も多くのマンションで採用されている構造です。そこで、もっと詳しくRC造について解説しましょう。
- 鉄筋+コンクリートの力
- 鉄筋は、「引っ張られる力」に強いのですが、「圧縮される力」には弱い性質をもっています。一方、コンクリートは、「圧縮される力」には強く、「引っ張られる力」には弱いという性質をもっています。そこで、鉄筋の周りをコンクリートで固めることにより、お互いの長所と短所を補おうというものが、RC造です。
- 日本建築学会が強度を決定
- 鉄筋は空気中の酸素に触れることでサビが発生しますが、RC造は鉄筋をアルカリ性のコンクリートで覆うことによってサビの発生を防いでいます。 しかし、コンクリートも年数を経るにつれて劣化し、もともとアルカリ性であったところが、中性化し、鉄筋がサビやすくなります。 そこで、日本建築学会ではコンクリートについて、どういう基準であればどれくらいの強度があるか、そして何年間ぐらい補修がいらないかといった基準を決めています。 コンクリートの強度を表す単位は、N/m㎡ です。この値が大きいほど強度が強いということになります。 また、「大規模補修不要期間」とは、大きな補修をしなくても、鉄筋のサビやコンクリートの致命的な劣化が起きないと予想できる期間のことです。例えば、標準レベルでは、65年は大規模修正をしなくても問題ないだろうと予想できます。
| 計画共用期間の級 | 耐久設計基準強度 | 大規模補修不要期間 | 共用限界期間 |
|---|---|---|---|
| 一般 | 18N/mm² | 30年 | 65年 |
| 標準 | 24N/mm² | 65年 | 100年 |
| 長期 | 30N/mm² | 100年 | - |
- 鉄筋コンクリートの厚さ
- コンクリートの中の鉄筋は、コンクリートの中性化が進むとサビやすくなり、コンクリートを破損させる原因となります。そこで、ある程度の厚さをもったコンクリートで、鉄筋をしっかり覆います。コンクリートで包み込む厚さを「かぶり厚」といい、建築基準法では最小かぶり厚が決められています。
| 土に接しない部分 | 土に接する部分 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 屋根スラブ 床スラブ 非耐力壁 |
柱・梁・耐力壁 | 柱・梁・床スラブ・耐力壁 | 基礎・擁壁 | ||
| 屋内 | 屋外 | 屋内 | 屋外 | ||
| 20mm以上 | 30mm以上 | 30mm以上 | 40mm以上 | 40mm以上 | 60mm以上 |
ラーメン構造について、もっと知ろう
ラーメンという不思議な言葉は、ドイツ語からきたもの。「額縁」という意味があります。柱と梁で構成されていて、接合する部分がしっかり固定されているものを言います。屋内の壁でも建物を支えている構造ではありませんので、壁を取り払いやすく、リフォームの自由度が高いのが特徴です。低層から超高層まで用いられており、マンションで最も多いRC造では、ラーメン構造が数多く見られます。
地震や台風によって水平に働く力を防ぐために、よく「耐力壁」が用いられますが、これを施さなくても、地震などの横揺れに耐える構造とされています。
室内は、柱や梁が出るのが一般的ですが、最近では柱や梁が張り出さないようすっきりした空間にする工夫をした建物も出て来ています。
マンションには、どんな型がある?

構造のほかにも、マンション全体の形がどうかによって、それぞれ特徴があります。こちらも見てみましょう。
- 長方形

- 最もシンプルな形で羊羹形などと言われることもある形です。構造的にはしっかりしていますが、部屋の間取りが同じようなタイプになりがちです。
- 口の字

- 外から見ると長方形/正方形ですが、実は口の字になっていて、真ん中が大きな吹き抜けになっている低層~中層のマンションで見られるタイプです。中庭はコミュニティスペースになっていることが多いです。
- L字/コの字

- 日照条件などを考えて、L字/コの字の配置にしているマンションも多く見られます。方位が部屋によって違うので、同じ階の同じ広さのお部屋でも値段が違う場合もあります。
- 雁行形

- 鳥の雁(ガン)が、集団で空を飛んでいる形に似ていることからつけられた名前。日照条件を考慮した、波の形が特徴です。デザイン性が高い一方、窓の角度によっては近隣の部屋から見えやすい場合もあります。
次号の特集: マンションの構造について 【後編:安心?安全?気になるマンションの耐震設計】
今月号の特集はいかがでしたか?
次号は、今月に引き続き、マンションの構造についてご紹介します。地震大国・日本に住む私たちにとって、最も気になる耐震設計についてお伝えします。ぜひお見逃しなく!
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