2008.February
賃貸マンション以上に、分譲マンションでは長く快適に住めるかどうかが大切になってきます。
そのためには、家族構成が変わったり、年をとった時にどんなふうにリフォームできるかも、大切なポイントです。
そこで今月は、マンションのリフォームについてお届けします。マンションのリフォームにはどんな制限があるのか?
地方自治体から受けられる助成金には、どんな種類があるかなどを中心にご紹介します。どうぞお見逃しなく!
分譲マンションなら、どこでもリフォームできる?

分譲マンションには、区分所有法によって規定される専有部分と法定共用部分、それぞれのマンションごとに定められた規約共用部分があります。
独断でリフォームできるのは、専有部分に限られます。ただし、専有部分のリフォームといっても、例えばカーペットからフローリングへの張替えなどは管理組合へ届けを出すという規約になっているマンションもありますので注意が必要です
マンションの専有部分とは?
区分所有法では、「専有部分」とは区分所有権の目的たる建物の部分であると規定されています。一言で言うと、マンションの一室と縦管から横に伸びているガス管や配線部分等が付属物が専有部分となります。
マンションの共有部分とは?
当たり前のようですが、マンションの専有部分以外の全てが共用部分になります。
共用部分は、区分所有法で定められている法定共用部分と、管理組合規約で定める規約共用部分の2つに分かれており、鉄筋やコンクリートなどの構造躯体やエレベーター、給排水施設などの設備は法定共用部分、管理事務室や集会室などは規約共用部分です。
専有部分なら自由にリフォームできる?

専有部分なら、勝手に業者に頼んで行って良いのかというと、そうでもありません。
リフォームによるトラブルが頻発したため、平成9年に国土交通省は「標準管理規約」を、リフォームや修繕時に管理組合への申請が必要になるように改正しました。
マンションの管理規約はこの「標準管理規約」を基に作成されていますので、この改正以降に販売されたマンションは、リフォームの際には原則として管理組合への申請が必要になっています。
リフォームできるのはどこ?
| 壁 | 外壁は、個人でリフォームすることは出来ません。室内の壁はマンションの構造によってリフォームできるものと出来ないものがあります。 |
|---|---|
| 廊下 | 室内の廊下は専有部分なのでリフォームできますが、外廊下は共用部分なので、自分の一存ではリフォームできません。 |
| バルコニー | ベランダやバルコニーは、共有部分ですのでリフォームは出来ません。マンションによっては、すぐに取り外しできるブロックやレンガを置いたり、ウッドデッキを敷くなどの工夫ができる場合もありますが、管理規約によって異なります。 |
| 玄関ドア | 住戸によって、好きな色に塗り替えてしまうと、外観がバラバラになり、統一感がとれなくなるため、基本的にはリフォームはできません。 |
| 窓 | サッシは共用部分になりますので、原則的にはリフォームできないと考えた方が良いでしょう。 |
| キッチン・浴室 などの水周り |
システムキッチンやユニットバスの入れ替えなどは可能ですが、縦の配管は共用部分になるため、この変更を伴う設置場所の変更は原則として出来ません。 |
助成金を利用しよう

地方自治体によっては、住まいの改修やリフォームについて、助成金がもらえる制度があります。助成金を受けるためには、事前に各市町村の担当部署への相談や申請が必要なものがほとんどです。工事に着手する前に、お住まいの自治体に問い合わせ、申請しましょう。
国から受けられる助成金
介護保険制度の住宅改修
介護保険において、要支援、要介護の認定を受けた人が行う、バリアフリーなどの、より快適な暮らしをするための住宅改修は、利用者1人あたり20万円まで介護保険から支給されます。
- 対象:手すりの取付け/段差の解消/洋式便器等への便器の取替え など
- 申請:地方自治体に、介護保険居宅介護(支援)住宅改修費支給申請書、住宅改修にかかる領収書、改修を行った場所の「改修前」、「改修後」が確認できる写真などを添えて行います。事前に申請が必要な場合もありますので、担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)や、地方自治体の担当課に相談してみましょう。
省エネ設備
地球温暖化防止にむけての取り組みの一貫として、省エネ設備やシステムをほどこす住宅に対して、国や地方自治体から助成金が受けられるもの。ガスエンジンで電気をつくるエコウィル(家庭用ガス発電・給湯冷暖房システム)、空気中の熱でお湯を沸かすエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機)、排熱を利用してお湯をつくるエコジョーズ(潜熱回収型給湯機)など、さまざまなシステムの導入が対象とされています。 助成金を受けるためには、決められた時期に申請書を提出しなくてはいけないので、ご注意ください。
地方自治体独自の助成・補助制度
地方自治体によって、さまざまな助成金や補助制度が定まっています。ここでは、いくつかの例をご紹介しましょう。
地方自治体や、募集時期によって、どんな助成や補助が受けられるかは異なりますので、詳しくはお住まいの自治体に、お問い合わせください。
助成金
- バリアフリー
- 自宅をバリアフリー化するための改修工事に対して、助成金が受けられるもの。国が実施している介護保険の住宅改修の助成金とは別に、自治体によって独自の補助制度を実施しているところがあります。これらは、介護保険で認定を受けた人でなくても、他の条件を満たせば受けられる場合もありますので利用しやすいでしょう。
- 耐震診断・耐震化工事
- 自宅がどれだけの地震に耐えられるかを調べるための耐震診断を受けたり、耐震化工事を行う場合に助成金が受けられるものです。対象になるのは、主に一戸建てですが、鉄筋コンクリート造のマンションでも受けられる場合があります。
- 防火
- 火災の被害をできるだけ食い止められるように、類焼の及びやすい地域で、防火性の高い住宅を建てると、助成金が受けられるものです。
- 防犯
- 空き巣などの犯罪から身をまもるために、カギの交換など住まいの防犯対策をした場合に、その費用の一部を助成するものです。
このほか、二世帯住宅にするとき、シックハウス症候群にならないために原因となる化学物質を使わない内装材への張替え工事をするとき、屋上を緑化したり、生け垣などをつくって街に緑をふやしたりする場合に、助成金や補助金が出る地域もあります。ぜひ、皆さんお住まいの自治体の制度を調べてみてください。
利子補給
区や市によっては、直接自治体が住宅ローンを融資してくれたり、指定の金融機関から借り入れると利子を一部補給してくれるなど、住宅取得をサポートしてくれる制度を設けている自治体もあります。民間の融資を利用する場合よりも、有利な条件で借り入れできますが、募集期間、募集人数、利用条件が限られている場合がありますので、事前にチェックしましょう。
2ヶ月にわたり、マンションのメンテナンスとリフォームについて見てきましたが、いかがでしたか?
一生のお買い物ですから、10年、20年先も安心して暮らせるかどうかが重要なポイントになります。長く快適に暮らすためには、メンテナンスやリフォームは欠かせませんが、日々のお手入れや居住者とのコミュニケーションも大切なことですね。
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