2007.February
人生の最大の買い物といわれる、マイホーム。そして、マイホームを購入するときに、多くの方が利用するのが住宅ローン。最近は住宅ローンの種類が多様になり、どのように選べばいいのか頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。住宅ローンは将来のライフプランに大きな影響を与えるものです。ローンの選び方次第で、トータルの返済額も大きく違ってきます。
今回は、金利と返済方法を中心に住宅ローン選びのポイントをお届けします。
まずは金利をチェック!

住宅ローンを選ぶ際に、一番気になるのはやはり金利ですよね。実際、金利が決まると、それによって返済額が決まるため、金利がどうなるかというのはとても大切なポイントとなります。金利の水準は、景気や金融情勢など、さまざまな要素によって変化します。ごく簡単にいうと、景気が良くなると金利水準も上がり、景気が悪くなると金利水準は下がります。もちろん、金利水準が高くなるにつれ、住宅ローンの金利も上昇していきます。
では具体的に、金利が上昇すると住宅ローンの返済額はどのくらい増えるのかみてみましょう。たとえば、借入額3,000万円、借入期間30年、元利均等払い(ボーナス払いなし)、固定金利年3%のケースで、1%上昇した場合と、2%上昇した場合は、次のような結果になります。

金利が年3%から年4%へと1%上昇したときには、毎月の返済額は16,743円、年間の返済額は200,916円、総返済額は6,027,616円も多くなります。また、金利が年3%から年5%へと2%上昇したときには、毎月の返済額は34,565円、年間の返済額は414,780円、総返済額に至っては、じつに12,443,499円も多く支払わなくてはなりません。
このように金利上昇は、家計にとても大きな影響を与えます。もちろん、金利が低い時に住宅を購入したほうが返済額は少なくなりますので、これから住宅を購入しようとする方は、金利の動向を注意深くチェックしておきましょう。
固定金利か変動金利か?
実際に住宅ローンを選ぶ時に最も悩むのは、固定金利・変動金利のどちらにするかというポイントでしょう。住宅ローンの金利のタイプは、大きく分けると、長期固定型、変動金利型、固定金利選択型の3つの種類があります。
長期固定型

返済完了まで金利が変らないタイプのローンです。「フラット35 」(※)のほか、最近は銀行でも 30年や35年間固定金利の住宅ローンを打ち出すところが増えてきています。メリットは、返済額が一定なので返済計画が立てやすく、家計管理がしやすい点。金利が低い時に借りた場合、将来的に市場金利が高くなったとしても、金利が固定されているので返済額が増えることはないので、安心感につながります。一般に長期でローンを組む場合や低金利期は、固定金利を選択するのがセオリーと言われています。リスクとしては、金利水準が下がった場合に、結果的に変動金利タイプ等が有利になることもありうる点が考えられますが、現在の金利水準では、この点はリスクというほどではないでしょう。
- ※ フラット35とは
住宅金融公庫(今年の4月からは独立行政法人住宅金融支援機構に)が民間金融機関と提携した長期固定金利型住宅ローン。利用者にとっては、(1)金利が長期固定、(2)返済期間が20~35年、(3)保証料が不要、(4)繰上げ返済手数料が不要、などのメリットがある。
変動金利型
その時々の金利情勢に応じて定期的にローン金利の見直しが行われるローンのこと。通常、年に2回見直されるため、金利変動の影響を受けやすいタイプといえます。ただし、金利がアップしても返済額は5年間変らないしくみになっていて、金利上昇分は返済額のうち利息の比率が高くなることで調整されます。また、5年ごとに返済額が見直され、新しい返済額はそれまでの1.25倍以内という決まりになっています。
一般的に契約時の金利は固定金利型よりも低く設定されているので、当初の返済は軽くなります。しかし、その金利がいつまで続くかわからないというデメリットも。金利の上昇が特に大きいと、返済額が全て利息になり、それでも利息が払いきれない時は「未払利息」が発生するケースもあります。そのため、金利上昇期には利用を避けたほうがいいタイプといえるでしょう。
固定金利選択型
3年、5年、10年など、一定期間だけ金利を固定するもので、民間の住宅ローンでは最も一般的なタイプです。期間が短い商品は変動型よりも金利が低いものが多く、固定期間が長いほど金利は高くなります。固定期間終了時点に変動に切り替えるか、再度、固定金利選択型を選びます(手数料は数千円~1万円)。いずれの場合もその時点の金利が適用されますから、期間終了後の金利がどうなるかわからないというリスクが生じます。
このタイプは金利上昇分がそのまま返済額にはねかえり、適用金利がアップすれば返済額は青天井で高くなるので、その点は十分に注意しましょう。
このように、それぞれのタイプに一長一短がありますので、どのローンを選んだらいいのかは、その人のライフプランや返済能力によって違ってきます。一般には、低金利時代は固定金利、高金利時代は変動金利を選ぶのがセオリーとされており、これから子供の教育費がかかるので将来のローン支払い金額を明確にしたい人や、あらかじめ返済金額を固めて計画的に返済したい人などは長期固定型が向いています。
一方、比較的資金に余裕がある方や住宅ローン以外に大きな支出がない人、金利の変化に耐えられるだけの収入が確保されている人、また積極的に借り換えを考えている人などは、変動型や固定金利選択型が向いていると言えるでしょう。
元利均等返済と元金均等返済
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。それぞれの特徴もおさえておきましょう。
元利均等返済

元金・利息とも合わせて毎月均等額を返済していく方式です。
最も一般的な返済方式で、ほとんどのローン利用者の方はこの方式で返済されています。毎月の返済金額が一定なので、将来の資金計画が立てやすいことが最大のメリットです。最初は返済額の大部分を利息が占めていますが、後半になるにしたがって返済額に占める元金の割合が徐々に上昇します。繰り上げ返済を行うなら、初期の方がより効果的です。
元金均等返済
元金を毎月均等に分割し、そのうえに利息を加算して返済していく方式です。
ローン残高にかかる金利分が上乗せされるため、当初の返済額は高くなりますが、返済が進むに従って月々の返済額は少なくなっていきます。また、返済総額が元利均等返済よりも少なくてすむ点もポイントです。
ただし、当初の返済額が大きくなりますので現在の収入が高めで、将来は横ばいか下がる可能性がある方以外にはあまり向いていないローンかもしれません。

住宅ローンの金利はいつ決まる?

毎月刻々と変っていくローン金利。実際に適用されるのは、いつの時点のものなのでしょうか。
公的融資の場合には、申込時点での金利が適用されます。つまり、申込の段階で月々の返済額が確定するので、資金計画が立てやすくなるメリットがあります。
一方、多くの方が利用する民間の金融機関の住宅ローン(フラット35も含む)は、融資が実行された時点での金利が適用されます。
そのため、ローン実行が申し込みよりも先の場合は、金利の動向によっては申込時の金利よりも上がってしまう可能性もあります。ローンを申し込む時には、金利が上がることもある程度想定に入れて、余裕のある資金計画・返済計画を立てることが必要です。
購入した人はどのローンを選んでる?


では、すでに住宅ローンを利用している方は、実際はどのローンを選択しているのでしょうか。平成18年度に住宅金融公庫が実施した「住宅ローンに関する顧客アンケート調査」では、金利タイプ別の利用実態は以下のような結果になっています。
ちなみに、公庫融資利用者のうち、公庫だけの借入は56.2%で、公庫と民間ローンを併用している方は43.8%でした。
尚、弊社でご契約いただいたお客様は、契約時に約7割の方が提携ローンを選択されています。
但し、これはあくまで契約時に選択されるローンの割合であり、実際に利用されるローンの比率とは異なります。既にご説明したとおり、住宅ローンの金利には融資実行時の金利が適用されるため、契約当初は取り下げやすい提携ローンで暫定的に資金計画を立て、マンションの完成間近に改めて利用するローンを考える方も多くいらっしゃいます。
- ※ 提携ローンとは
住宅の販売業者が金融機関と融資条件や融資限度額などを決めているローンのこと。提携ローンでは物件審査はあらかじめ行われているため、審査時間は短く、手続きも楽という点がメリットとなります。
どのタイプのローンがベストなのかは、その人の置かれている状況(年齢や家族構成、収入など)やリスクに対する考え方によって異なります。また、必ずしも「金融機関が貸してくれる額」=「無理なく返せる額」というわけでもありません。住宅購入はとても大きな買い物。納得がいくまで検討を重ねて、自分に合った住宅ローンプランニングを立てましょう。

