2004.April
「安心・安全」、そして「快適性」について、マンションの最新情報をお届けしている今シリーズ。永住タイプを目指したマンションが増えている今、加齢や、健康状態の変化にも対応できるマンションを選びたいもの。最新のマンションは、どのように対応しているのか、今回は、居室内の設備・仕様をみながら、最新のマンション情報をお伝えします。
~快適性の追求~ きれいな空気の中で暮らすための配慮

気密性や断熱性に優れた建物構造を持つマンションでは、一戸建てに比べて冬でも暖かく、快適に暮らすことができます。しかし、その半面、室内の空気が入れ替わりにくく、空気がよどんだままになると、健康への影響も懸念されます。そこで重要になってくるのが、換気システムです。換気設備は、1時間に0.5回(2時間に室内の空気が全て入れ替わるもの)が望ましく、自然換気と機械換気、両方を取り入れたものがあります。2003年7月の建築基準法改正で機械換気が義務づけられたため、これ以降の新築マンションには24時間機械換気システムが装備されています。マンションで採用されている換気システムは、居室の壁に設けられた吸気口から外の空気を取り入れ、洗面室・トイレ・浴室から排気するタイプのものが一般的です。
また、換気システムのほかに、床暖房もきれいな空気を保つのに役立つシステムといえるでしょう。床暖房には電気式とガス式がありますが、ガスによって温められた湯を利用するTES温水式床暖房が多く採用されています。いずれも、空気を汚さずに部屋をむらなく暖め、火を使わないので子供や高齢者のいる家庭でも安心というメリットがあります。
ところで、最近、住宅の建材や接着剤から出る化学物質が原因となるシックハウス症候群の患者が急増しているようです。これは、目の痛みや鼻水という症状から、頭痛、倦怠感、呼吸困難まで、ひどい人になると、日常生活を送るのに支障が出るほどになる恐ろしい病気です。こういった実態を受け、2003年7月の建築基準法改正では、機械換気の義務づけと同時に、ホルムアルデヒドを放散する建材の使用制限、シロアリ駆除剤・クロルピリホスの使用禁止が決められました。マンションを選ぶときには、家族の健康を考え、床・壁・天井・建具・家具などに、どんな材料や接着剤が使われているかをチェックすることも大切です。
ポイント
空気は目に見えない物だけに、つい見落としがち。最新の設備仕様をチェックしながら、安心できる生活を送ることができるよう、気を配りましょう。
~快適性の追求~ 家事を効率よく行うための設備について

快適な家事を行うために、ぜひチェックしておきたいのがキッチンや洗面室、浴室、トイレなどの水回りです。水回りには、時代に応じて便利な設備が装備され、水回りをみればいつごろ建てられたマンションかがわかるというくらいです。最近の新築マンションでは、キッチンには浄水器・三ツ口コンロ、浴室には浴室換気乾燥機・オートバス、トイレにはシャワートイレなどの設備が装備されているものがほとんどです。さらに、都心物件を中心にして、ディスポーザーや IHクッキングヒーター、ドラム式洗濯乾燥機を装備するマンションも出てきました。このほか、ハンドシャワー水栓、ビルトイン式食器洗浄乾燥機、ビルトイン式電子コンベック、パントリー(食品庫)、リネン庫なども快適性をアップさせます。
また、これらの設備だけでなく、動線に配慮した間取りも快適性に大きくかかわってきます。例えば、洗面室・浴室に直接出入りできる2ウェイキッチンの場合、料理や後片付けをしながら洗濯ができ、忙しい人には重宝な間取りといえるでしょう。また、最近登場してきた寝室から直接出入りできる洗面室は、プライバシーを重視したい人には嬉しい間取りといえるでしょう。
水回りは、人間の基本的な生活には欠かせない場所です。それゆえ、自分の生活スタイルに合ったアイテムや間取りを選ぶことが大切でしょう。最近では、間取りを選んだり、欲しい設備をオプションで付けられるマンションも増えていますので、自分に合ったプランづくり心がけてください。
ポイント
毎日の家事の負担は、主婦には大変なもの。自分のライフスタイルにあった設備をチョイスし、快適な生活を実現しましょう。
~安全性の追求~ ユニバーサルデザインについて
マンションの永住志向の高まりにより、赤ちゃんから高齢者まで、さまざまな人が便利に快適に暮らせる住まいが求められています。例えば、大人には何でもないちょっとした段差でも、幼児やお年寄りにとっては障害であり、ひとたびつまずけば大きなケガにつながることもあります。こういったことから、住まいに取り入れられたのが「ユニバーサルデザイン」という考え方です。これは、高齢者のため、障害者のためというように、誰かに限定して使い勝手を考えたものではなく、「誰もが公平に使える」「自分に合った使い方を選べる」といったように、年齢や体の状態に関係なく、万人が快適に使えることを目的としたものです。だからこそ、永住のためのマンションには非常にぴったりとくる考え方といえます。
「ユニバーサルデザイン」という考え方が活かされたプランは、例えば次のようなものが挙げられます。段差がなく車椅子でも楽に通れる玄関や居室、またぎやすさを考えた低床ユニットバス、手すりつきの浴室やトイレ、子供も押しやすい大きな照明スイッチといった室内空間。ベビーカーや車椅子が通りやすいスロープ付きのエントランス、バリアフリーの共用施設、子供や車椅子の人でも操作しやすいエレベーターといった共用部分。一度暮らし始めると、なかなかリフォームしにくいので、初めから「ユニバーサルデザイン」を取り入れたマンションを選ぶのも、永く快適に暮らすための秘訣と言えるでしょう。
ポイント
ユニバーサルデザインとは、健康な大人にも使いやすいものです。ユニバーサルデザインの視点からマンションを比較してみてもよいでしょう。
換気システムやユニバーサルデザインなどは、リフォームではなかなか対応しづらいものです。マンション選びの段階から、高い関心を持つようにしましょう。次回は「マンション管理」の最新情報をレポートしながら、「安心・安全と快適性」について考えます。
- vol.03 2004.04.30 「マンション管理」の最新情報
- vol.02 2004.04.02 「マンション空間・居室」の最新情報
- vol.01 2004.02.27 「マンション構造・設計」の最新情報
